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Parasite Art Project @ BOOOK
directed by schtucco(http://schtucco.com/)
土地の記憶、日々うつろう光や風をとらえる束の間の庭

Transitory Garednは屋内外を問わず、スペースにあわせたレイアウトの出来る「庭」です。
ブックカフェ・ブークの空間を構成するマテリアルとの統一感やアクセントを考慮しながら、店内や外の空間、あるいは日の光や影、風などを顕在化するトランジットリーな庭としてデザインしてあります。
亜鉛メッキのプランターは排水やメンテに関して、屋内外どちらでも使えるデザインです。
また、手水鉢は「うつろい」を映し出す装置です。風や振動、光や陰、枝や木の葉、室内の風景がこの水面に取り込まれます。
竹のスクリーンはその向こうにあるものをやわらかく隠しながら注意を引く「見える目隠し」です。
ハウチワカエデの有機的な幹や枝のライン、プランターの形や色、テクスチャー、屋内外の風景を竹のラインがそのコントラストで演出します。
また、その配置によって、見る方向によって違った表情見せるといったモアレが生じます。
プランツもこの地に縁のあるものが植栽されています。
常長が文様として持ち帰ったアカンサス(松島円通院)、古代からこの地に根ざしていたであろうハウチワカエデAcer japonicumが石組みや玉石とともに、スクエアなプランターのスペースに奥行きと深みを与えます。
この北の地には、古くは縄文の時代から、蝦夷、陸奥、東北と、オルタネイティブな日本の記憶が刻まれています。それはうつろう庭としてここに顕れ、正面エントランスから見た、竹(日本)の向こうに透けて見える東北の風景でもあります(ガラス越しの松林も)。